文京区で子宮がん・卵巣腫瘍の検査・治療が受けられる婦人科

子宮がん・卵巣腫瘍

子宮がん健診・治療

子宮がん

子宮がんには、子宮頸部(子宮の入り口付近)にできる子宮頸がんと、子宮体部(子宮の奥)にできる子宮体がんがあります。今までは子宮頸がんの方が多いとされてきましたが、子宮体がんの割合は年々増加しています。

子宮頸がんと子宮体がんは原因も治療法も異なるので、別のがんとして扱われます。

子宮頸がん

子宮頸がんの原因

子宮頸がんの原因の大部分はヒトパピローマウィルス(HPV16,18型などのハイリスクHPV)の感染により引き起こされます。50歳までに女性の約8割が感染すると言われるありふれたウィルスで、通常は自身の免疫力でウィルスを追い出すことができます。免疫力の低下などによりウィルスが排除されないと、子宮頸がんを引き起こすことがあります。

ただHPVに感染しているというだけでは子宮頸がんにはなりません。しかし、数年・数十年の間感染状態が続くと、子宮頸がんに進行する可能性が高まります。そのため、子宮頸がんの診断には定期的な健診が必要です。

子宮頸がんの検査

検査の方法は複数あります。当院で実施している検査をご紹介します。

細胞診検査
子宮頸部(子宮の入り口)をこすって細胞を採取し、検査を行います。子宮頸がんの検査の中では最もポピュラーな方法です。
HPV検査
子宮頸部の細胞をこすって細胞を採取し、HPVの存在を確認する検査です。感染の原因であるHPVは100種類以上ありますが、その中でも特に子宮頸がんへ進行しやすい高リスクのHPVへの感染の有無を検査する方法です。

細胞診検査だけでは精度に欠けるため、HPV検査と併用することがあります。どちらも子宮頸部の細胞を採取することで検査が行えますので、余計な手間は一切かかりません。

コルポスコープ検査
細胞診・HPV検査で異常が発見された場合は、子宮膣部拡大鏡(コルポスコープ検査)による組織検査を施行します。子宮頸部を観察し、異常が発見された箇所をミリ単位で切除して病理検査を行います。

ブログで子宮頸がんの検査について詳しく説明しておりますので、是非ご覧ください。

子宮頸がんの治療

検査の結果、子宮がんが見つかった場合、治療設備が整った病院を紹介させていただきます。子宮がんは、早期であれば完治しやすいがんです。定期的に検診を受けて、ご自身の身体を守りましょう。

子宮体がん

子宮体がんの原因

子宮体がんは、閉経期以降に多く見られるがんです。卵巣から分泌される卵胞ホルモンの値が高いと、子宮内膜増殖症という疾患を経て、子宮体がんに発展します。

毎月の月経で、子宮内膜は増殖と剥脱・出血を繰り返しています。この「子宮内膜の増殖」が過度となって、子宮内膜が異常に厚みを増してしまいます。これが子宮内膜増殖症です。この結果、出血が多くなったり、出血に混じる内膜が異常に多くなったりして、疾患の発見に至ります。これを治療せず放置すると、子宮体がんへと進行します。

また、子宮体がんになりやすいタイプと言われているのは、

  1. 妊娠・分娩の経験がない人
  2. 授乳経験がない人
  3. 高血圧・糖尿病の人
  4. 肥満の人

上記の4つです。1つでも当てはまる方は、注意が必要です。当てはまらない場合でも、月経の出血量が多い、異常出血が続くなどの症状が見られたら、一度、婦人科を受診しましょう。

子宮体がんの検査
超音波検査
超音波で子宮内膜の様子を観察します。子宮内膜が異常に厚い、形状に異常が見られるなどの場合は、要注意です。但し、この検査でははっきりと診断することはできませんので、あくまで参考程度となります。
細胞診検査
子宮内膜まで器具を挿入して子宮内膜細胞を採取し、細胞診検査を行います。
子宮内膜組織検査
子宮内膜組織を掻破し、組織検査を行います。掻破する場合は痛みを伴いますので、局所麻酔を施すことがありますが、入院の必要はありません。
子宮体がんの治療

検査の結果、子宮がんが見つかった場合、治療設備が整った病院を紹介させていただきます。子宮がんは、早期であれば完治しやすいがんです。定期的に検診を受けて、ご自身の身体を守りましょう。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍

卵巣は左右に一つずつあり、通常では2~3cmくらいの大きさです。ここに発生した腫瘍が卵巣腫瘍です。

卵巣腫瘍には様々な種類がありますが、その発生起源から表層上皮性腫瘍・間質性腫瘍・性索間質性腫瘍・胚細胞性腫瘍などに大別され、それぞれに良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍があります。

良性卵巣嚢腫

卵巣嚢腫の種類

最も多く見られる良性卵巣嚢腫には、以下の種類があります。

漿液性嚢胞
嚢腫の中にサラサラした液体がたまる状態です。卵巣嚢腫の中では最も多いタイプです。増殖すると悪性に変化する場合もあるので、良性といえども油断はできません。
粘液性嚢胞
嚢腫の中に、ドロドロとした粘液がたまっている状態です。卵巣嚢腫の中では一番大きくなるタイプで、大人の頭くらいの大きさになることもあります。
皮様嚢腫(成熟奇形腫)
嚢腫の中に、髪の毛、歯、脂肪などを認めます。若い頃に発症したものは良性であることが多いのですが、悪性転化することがあります。
チョコレート嚢腫
進行した子宮内膜症は、卵巣内に嚢胞を形成します。月経を繰り返すことにより、この嚢胞に古い血液が溜まったものをチョコレート嚢胞と言います。不妊の原因になる可能性がある他、破裂すると激痛を伴います。また、卵巣がんに進展することもありますので注意が必要です。

良性卵巣腫瘍の検査

超音波検査

超音波で卵巣の様子を観察します。膣内に細長い器具(プローベ)を入れて、卵巣の様子を観察します。X線を使わないので体にもやさしく、一般的に行われる検査です。卵巣腫瘍の種類を大まかに診断することができます。

腫瘍マーカー検査

血液検査によって各種腫瘍マーカーの値を検査する方法です。各腫瘍マーカーの値で卵巣がんの可能性を推測することができますが、超音波検査に比べて確実性に欠けるため、超音波検査と並行して行います。

その他、CT・MRIなどが必要になる場合があります。その際は、設備が整った施設を紹介させていただきます。

良性卵巣腫瘍の治療

良性腫瘍の場合、大きさや妊娠希望の有無によって対処法が異なります。経過観察の場合は、定期的に通院していただきます。切除が必要な場合は、適切な病院を紹介させていただきます。

卵巣がん

沈黙のがんとも呼ばれるがんで、自覚症状がほとんどないがんです。子宮がんとは異なり「早期発見」が非常に困難です。欧米で過去に卵巣がん検診を実施したのですが、死亡率の減少という結果が得られず、「無症状女性の卵巣がん検診は意味を持たない」と結論づけられました。そのため、厚生労働省のガイドラインでも、がん検診の対象にはなっていません。

しかし、検査による早期発見ができることもあります。当院では子宮がん検診で超音波検査を取り入れていますが、同じ超音波検査によって卵巣の状態も観察できます。子宮がん健診の際に、一緒に卵巣の状態もチェックさせていただき、子宮がん・卵巣がんともに早期発見を目指していきます。

治療法は、手術療法、抗癌剤療法、放射線療法などがあります。当院では卵巣がんの治療は行っていませんので、卵巣がんが疑われる場合は専門の施設を紹介させていただきます。

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